自転車でイヤホン使用は違反?片耳なら大丈夫?

こんにちは。小学生の子を持つ親としては「自転車の安全」も常に気になるテーマです。

今回は、イヤホンをしながら自転車に乗ることの違反・安全性・条例、そして新たな法改正情報などについて、わかりやすく解説します。

自転車でのイヤホン使用は違反?

まず気になるのが、「自転車に乗るときイヤホンをするのは法律違反になるのか」という点です。実は、道路交通法で直接「自転車でのイヤホン使用」を禁止しているわけではありませんが、“周囲の音が聞こえず、安全運転義務に違反している状態” とみなされるおそれがあります。

たとえば、イヤホンによってクラクションやサイレンが聞こえない状態だと事故につながりかねないため、多くのケースで「安全運転義務違反」として取り締まられる可能性があるのです。

2024年5月の法改正情報

さらに、2024年5月には自転車の交通違反に交通反則切符(青切符)を交付する改正道路交通法が参議院本会議で可決・成立しました。この改正により、自転車運転の違反処理が見直され、公布から2年以内(2026年内)に施行されることになっています。


青切符が交付される対象は、16歳以上の運転者による113種類の違反行為で、

  • 傘を差す
  • イヤホンを付ける
  • スマートフォンなどを使用する”ながら運転”

など、都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反する行為も含まれます。
これまでは自転車の違反に対して比較的緩やかな対応がとられてきましたが、今後はより厳格に取り締まりが行われる可能性が高いといえます。

各都道府県でイヤホン禁止を条例化

都道府県によっては、自転車でのイヤホン使用について明確に条例で禁止しているケースがあります。たとえば東京都では、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞いて「安全運転に必要な音や声が聞こえない状態」を作り出している場合を禁止しています。

大阪や神奈川なども同様の規定を設けており、「周囲の音が十分聞こえない状態は違反」と見なされることが多いです。

このように、「音が聞こえるかどうか」が一つの判断基準となっており、条例によっては罰則が科される場合もあります。

埼玉県の場合

私の知り合いも多い埼玉県でも、道路交通法とあわせて「イヤホン禁止」を盛り込んだ条例があります。埼玉県の条例では、「イヤホン等を使用して、周囲の交通に注意を払わない状態での運転」を禁止しており、違反が認められれば罰金などの処分を受ける可能性があります。(埼玉県道路交通法施行細則第10条第6号。罰則:5万円以下の罰金)

自転車で片耳イヤホンならしていいの?骨伝導イヤホンは?

「片耳だけなら大丈夫?」とか「骨伝導イヤホンなら耳を塞がないから安全?」という疑問もよく耳にしますが、絶対に安全・合法とは言い切れないのが現状です。

  • 片耳イヤホン:もう一方の耳が空いているとはいえ、大音量で音楽を聴いていれば結局周囲の音を聞き逃す可能性が高くなります。
  • 骨伝導イヤホン:耳をふさがないため比較的周囲の音は聞きやすいとはいえ、音量が大きければ注意力が散漫になるリスクは残ります。

結局のところ、「聞こえるかどうか」だけでなく、「危険な箇所に注意を向けられているか」が重要となります。条例や改正道路交通法の観点からも、イヤホンを使うのはグレーな行為であることを認識しておきましょう。

イヤホン使用が原因の自転車事故の例

実際、イヤホン使用が原因とされる自転車事故は少なくありません。

  • 後方からのクラクションやサイレンに気づかず、車と接触したケース
  • 音楽やゲームに意識が向きすぎて歩行者にぶつかり、双方がケガを負ったケース

さらに、スマホの操作も同時に行う「ながら運転」が加わると、事故リスクは一気に高まります。

加害者にも被害者にもなりうる危険性があるため、イヤホンをしながらの運転はおすすめできません。

2015年に起きた実際の自転車事故の例

2015年6月10日、千葉市の公道において、イヤホンで音楽を聴きながら自転車を運転していた当時20歳の男子学生が、横断歩道を渡っていた77歳の女性に衝突し、死亡させる事故が発生しました。

乗車していたのはスポーツタイプの自転車で、時速およそ25キロ程度を出していたといわれています。一般的なママチャリの走行速度は時速12~17キロほどとされているため、かなり速い部類に入ります。

その後、今年2月23日に千葉地方裁判所で開かれた刑事裁判では、男子学生に対し重過失致死罪(刑法211条後段)の成立が認められ、禁錮2年6カ月・執行猶予3年の有罪判決が下されました。

自転車事故でも重大な過失があれば、重い実刑になります。

歩道・道路では自分だけでなく、車や歩行者がいます。誰でもに事故を起こす危険がある事を意識して、安全な状態で自転車に乗るようにしましょう。

自転車保険はこうしたリスクに備え、自分や相手の被害に対して金銭的な補償を受ける手段となるため、安心して自転車を利用するためにも、万が一の備えとして加入を検討することが大切です。

まとめ

  • 自転車でのイヤホン使用は、直接の明確な条文がないものの、「安全運転義務違反」で取り締まられる可能性が高い。
  • 各都道府県の条例でも明確に禁止されているケースがあり、罰則を受けるリスクがある。
  • 2024年5月に改正道路交通法が可決・成立し、2026年内には自転車に対しても青切符が交付される制度が施行される見通し。イヤホンをつけた運転や「ながら運転」なども対象となるため、いっそう厳しく取り締まられるようになる可能性が高い。
  • 片耳イヤホンや骨伝導イヤホンでも安心とは限らず、状況や警察官の判断次第で違反扱いになる可能性がある。
  • イヤホンによる事故は加害・被害のどちらにもなりうるため、自転車でのイヤホン使用はできるだけ避けるのが無難。

私も、小学生の子どもには「自転車に乗るときは必ずイヤホンを外しなさい」と口を酸っぱくして言っています。お互いに安全第一で、快適なサイクルライフを楽しみましょう。

最後に、保険の事でお悩みの事、お困りごとがございましたら、お気軽にこのまちサポートまでお問合せください♪お客様それぞれのお悩みにあわせて、ご案内させて頂きます