帰省中に実家の車を運転しても大丈夫?保険や車の状態など確認すべきこと

帰省中は、買い物や家族の送迎、親戚との外出などで、実家の車を運転する機会が増えます。普段からよく知っている家族の車であれば、「少し借りるだけだから大丈夫」と考える方もいるでしょう。

しかし、実家の車が加入している自動車保険の内容によっては、帰省した子どもが補償の対象に含まれていないことがあります。また、普段とは違う車を運転する場合は、車幅や操作方法、タイヤやランプなどの車両状態にも注意が必要です。

万一の事故が起きてから「保険が使えなかった」「車の不具合に気づかなかった」とならないためにも、運転前に確認しておきたいことがあります。

この記事では、帰省中に実家の車を運転する方に向けて、自動車保険の補償範囲や車の状態、慣れない車を運転する際の注意点などをわかりやすく解説します。

1.家族の車でも自動車保険が使えるとは限らない

実家の車だからといって、家族全員が自動車保険の補償を受けられるとは限りません。事故が起きてから補償対象外だったと気づかないよう、運転者の範囲や年齢条件を出発前に確認しておきましょう。

1-1.運転者限定の範囲に含まれているか

自動車保険には、補償の対象となる運転者を限定する契約があります。たとえば「本人・配偶者限定」が設定されている場合、帰省した子どもが実家の車を運転して事故を起こしても、原則として補償を受けられません。

「親の車だから子どもも補償されるだろう」と判断せず、保険証券や契約者向けのマイページで運転者限定の有無を確認しましょう。

1-2.年齢条件に問題がないか

自動車保険には、「21歳以上補償」「26歳以上補償」などの年齢条件が設定されていることもあります。ただし、年齢条件が適用される範囲は、運転する人と記名被保険者との関係や、同居・別居の状況によって異なります。

たとえば、別居している子どもが一時的な帰省中に運転する場合、年齢条件の変更が不要となる契約もあります。損保ジャパンでは、一時帰省中の別居の子どもについては年齢条件の変更は不要と案内されていますが、運転者限定については別途確認が必要です。

保険会社や契約内容によって条件が異なるため、年齢だけを見て判断せず、運転する人の続柄や居住状況も伝えて確認しましょう。

1-3.自分の自動車保険を使える場合もある

自分で車を所有し、自動車保険に加入している場合は、「他車運転特約」が付いていることがあります。これは、借りた車を運転中に起こした事故について、一定の条件のもとで自分の自動車保険から補償を受けられる特約です。

別居している親の車は対象となる場合がありますが、自分や配偶者、同居している親族が所有または主に使用する車などは対象外になることがあります。また、借りた車の損害まで補償されるかどうかは、自分の契約内容によって異なります。

他車運転特約が付いていても、すべての事故や費用が補償されるわけではありません。実家の車を運転する前に、自分の保険会社や取扱代理店へ確認しておくと安心です。

他車運転特約が付いていても、すべての事故や費用が補償されるわけではありません。実家の車を運転する前に、特約の有無だけでなく、対象となる車や補償内容も保険会社または取扱代理店へ確認しておきましょう。

2.運転免許証と車の書類を確認する

保険の補償範囲を確認したら、運転する本人と車の両方が、公道を走行できる状態か確認します。普段使っている車ではないからこそ、基本的な書類や期限を一つずつ確かめておくことが大切です。

2-1.車検や自賠責保険の期限を確認する

実家の車を長期間使用していない場合や、普段誰が管理しているのかわからない場合は、車検の有効期限も確認しておきましょう。

車検が切れた車を公道で運転することはできません。フロントガラスの車検ステッカーや車検証を確認し、期限が近い場合や記載内容がわからない場合は、車の所有者へ確認してください。

あわせて、自賠責保険が有効かどうかも確認します。自賠責保険は、交通事故によって他人を死傷させた場合の損害を補償するため、すべての車に加入が義務付けられている保険です。

ただし、自賠責保険だけでは、相手の車や物への損害、自分や同乗者のケガ、借りた実家の車の修理費などは補償されません。そのため、任意の自動車保険についても別途確認しておく必要があります。

3.車の状態を出発前に確認する

保険や書類に問題がなくても、車そのものに不具合があれば安全に運転できません。特に、しばらく使われていない車や、普段の整備状況がわからない車を借りる場合は、出発前に基本的な点検をしておきましょう。

3-1.タイヤやランプ類に異常がないか確認する

まずは、タイヤの空気圧やひび割れ、極端なすり減りがないかを確認します。空気圧が不足していると、走行が不安定になったり、燃費が悪くなったりすることがあります。

あわせて、ヘッドライトやブレーキランプ、方向指示器が正常に点灯するかも確認しましょう。自分だけでは確認しにくい場合は、家族に手伝ってもらうと安心です。

3-2.燃料や充電の残量を確認する

出発してから燃料が少ないことに気づくと、慣れない土地で給油場所を探すことになります。ガソリン車であれば燃料の残量、電気自動車やプラグインハイブリッド車であれば充電状況を確認しておきましょう。

普段乗っている車と給油口の位置や燃料の種類が異なることもあります。レギュラー、ハイオク、軽油を間違えないよう、事前に確認しておくことが大切です。

3-3.警告灯や異音がないか確認する

エンジンをかけた際に、メーターパネルの警告灯が消えない場合や、普段とは違う音や振動がある場合は注意が必要です。

「少しくらいなら大丈夫」と判断してそのまま運転すると、走行中に故障するおそれがあります。異常を感じたときは無理に出発せず、車の所有者や整備工場へ相談しましょう。

また、ワイパーやウォッシャー液、エアコンが正常に使えるかも確認しておくと安心です。雨天時や真夏・真冬の運転では、これらの不具合が安全運転に大きく影響します。

4.慣れない車の操作方法を確認する

普段と違う車を運転すると、車体の大きさや運転席からの見え方、各種スイッチの位置などに戸惑うことがあります。出発してから操作方法がわからないということがないよう、走り出す前に基本的な部分を確認しておきましょう。

4-1.車幅や死角を把握する

実家の車が、普段乗っている車より大きい場合は、狭い道や駐車場で接触するリスクが高まります。反対に、小さい車でも、ボンネットの長さや後方の見え方が違えば、距離感をつかみにくいことがあります。

運転席に座ったら、まずはシートの位置や背もたれの角度を調整し、ルームミラーやサイドミラーを自分の体格に合わせましょう。そのうえで、車の前後左右がどのあたりまであるのか、死角になりやすい場所はどこかを確認します。

不安がある場合は、いきなり交通量の多い道路へ出ず、周囲の安全を確保できる場所で、発進や停止、右左折、駐車などの感覚を確かめておくと安心です。

4-2.シフトやパーキングブレーキの操作を確認する

シフトレバーやパーキングブレーキの位置、エンジンの始動方法は、車種によって異なります。

たとえば、パーキングブレーキには、手で引くタイプ、足で踏むタイプ、スイッチで操作する電動タイプがあります。シフトも、一般的なレバー式だけでなく、ボタン式やダイヤル式などさまざまです。

走行中に操作方法を確認するのは危険です。発進前に、シフトの位置やパーキングブレーキの解除方法、ハザードランプ、ワイパー、ライトなどの操作を一通り確認しておきましょう。

4-3.カーナビや安全運転支援機能を過信しない

バックモニターや衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報などの安全運転支援機能が付いている車も増えています。しかし、これらはあくまで運転を補助するものであり、事故を必ず防いでくれるわけではありません。

バックするときはモニターだけに頼らず、ミラーや目視でも周囲を確認します。また、支援機能の作動条件や操作方法がわからない場合は、車の所有者に確認しておきましょう。

カーナビも便利ですが、画面の操作に気を取られると危険です。目的地は出発前に設定し、走行中に変更する必要がある場合は、安全な場所へ停車してから操作してください。

5.帰省時ならではの運転リスクにも注意する

帰省シーズンは、渋滞や長距離移動、慣れない道路など、普段とは違う条件が重なりやすくなります。車の状態だけでなく、道路状況や自分の体調にも気を配りながら運転しましょう。

5-1.渋滞や長距離運転による疲労

お盆や年末年始は、高速道路や主要道路が混雑しやすく、予定よりも移動時間が長くなることがあります。

長時間の運転は、集中力や判断力の低下につながります。目的地まで一気に走ろうとせず、疲れを感じる前に休憩を取りましょう。家族に運転を交代できる人がいる場合は、無理をせず交代することも大切です。

また、渋滞を見越して時間に余裕を持ち、出発前には道路情報や混雑状況を確認しておくと安心です。

5-2.雪道や凍結した道路への備え

冬の帰省では、積雪や路面の凍結に注意が必要です。実家の車にスタッドレスタイヤが装着されているか、タイヤの溝が十分に残っているかを確認しておきましょう。

雪が降っていなくても、早朝や夜間、橋の上や日陰では路面が凍結していることがあります。急ハンドルや急ブレーキを避け、普段よりも十分な車間距離を取ることが大切です。

雪道の運転に慣れていない場合や、悪天候が予想される場合は、無理に車を使わず、公共交通機関を利用することも検討しましょう。

5-3.飲酒した翌日の運転にも注意する

帰省中は、家族や親戚との食事でお酒を飲む機会が増えることもあります。飲酒した当日はもちろん、翌朝であっても体内にアルコールが残っている可能性があります。

睡眠を取ったからといって、必ずしもアルコールが抜けているとは限りません。少しでも不安がある場合は運転せず、家族に代わってもらうか、タクシーや公共交通機関を利用しましょう。

また、寝不足や体調不良も安全運転に影響します。帰省中は予定を詰め込みすぎず、十分に休息を取ったうえで運転することが大切です。

6.万一事故が起きたときの対応を共有しておく

実家の車を運転する前に、事故や故障が起きた場合の連絡先や対応方法も家族と共有しておきましょう。

事故が起きたときは、まずケガ人の救護と二次事故の防止を優先します。車を安全な場所へ移動できる場合は移動し、必要に応じて119番へ通報してください。その後、事故の大小にかかわらず警察へ連絡します。

相手がいる事故では、氏名や連絡先、車のナンバーなどを確認し、事故現場や車の損傷状況を写真に残しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

続いて、実家の車が加入している保険会社や取扱代理店へ連絡します。事故現場で相手と示談を約束したり、過失割合や賠償金額をその場で決めたりするのは避けましょう。

帰省前に、保険会社の事故受付窓口やロードサービスの連絡先、車検証の保管場所を確認しておけば、万一のときも落ち着いて対応できます。

7.実家の車の保険で補償されないときはどうする?

確認した結果、実家の自動車保険では自分が補償の対象に含まれていないこともあります。その場合は、そのまま運転せず、契約内容の変更や短期間だけ加入できる保険を検討しましょう。

7-1.実家の自動車保険を変更する

まずは、実家の車が加入している保険会社や取扱代理店へ連絡し、運転者限定などを変更できるか確認します。

帰省中だけ条件を変更できる場合もありますが、補償が始まる時期や追加の保険料は契約によって異なります。運転する直前ではなく、帰省の日程が決まった段階で相談しておくと安心です。

また、帰省後に元の条件へ戻す手続きが必要になることもあります。変更する期間や手続き方法もあわせて確認しておきましょう。

7-2.短期間だけなら「乗るピタ!」も選択肢

実家の車を数時間から数日だけ借りる場合は、時間単位型自動車保険の「乗るピタ!」を利用する方法もあります。

「乗るピタ!」は、家族や友人から借りた車を運転するときに加入できる保険です。親子が同居しているか別居しているかにかかわらず、親の車を借りる場合も契約できます。実家の車にすでに自動車保険が付いていても申し込めますが、補償が重複すると、一方の契約から保険金が支払われない場合があります。

1回の申し込みで最長連続7日まで契約でき、相手への賠償や自分・同乗者のケガなどに備えられます。プランによっては、事故で借りた車が壊れた場合の修理費用も補償されます。

ただし、運転者本人や配偶者が所有する車、レンタカーやカーシェアリング、一部の車種などは対象外です。また、車両補償が付く基本プランと安心プランは、マイページの新規登録から7日(168時間)が経過するまで利用できません。

帰省当日に慌てないよう、運転する予定が決まったら早めに補償内容と加入条件を確認しておきましょう。

まとめ|実家の車を運転する前に確認しておこう

帰省中に実家の車を運転する際は、自動車保険の補償範囲だけでなく、免許証や車検の有効期限、車の状態、操作方法なども確認しておくことが大切です。

特に自動車保険は、家族の車だからといって、必ず補償されるとは限りません。運転者限定や年齢条件、自分の保険に付いている他車運転特約などを確認し、不明な点があれば運転前に保険会社や取扱代理店へ相談しましょう。

また、普段とは違う車を運転するときは、車幅や死角、シフトやパーキングブレーキの操作などにも注意が必要です。渋滞や長距離運転、雪道、飲酒翌日の運転といった帰省時ならではのリスクも考え、無理のない運転を心がけましょう。

実家の車の保険で補償されるかわからない場合や、短期間だけ加入できる保険を検討している場合は、ぜひ弊社へご相談ください。運転する方と車の状況を確認し、必要な備えについてわかりやすくご案内いたします。

この記事を書いた人 Wrote this article

大山亜紀

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