意外と知らない? 自転車が通ってはいけないところ5選

「自転車は車両だから、車と同じように走っていい」そう思っている方、意外と多いのではないでしょうか。

確かに、自転車は法律上「軽車両」に分類され、原則として車道を通行する乗り物です。でも実は、車が走る道のすべてを自転車が走れるわけではないのです。

たとえば、高速道路や自動車専用道路、高架道路の一部など、自転車の通行が禁止されている区間は意外と多くあります。
また、歩道や路側帯でも、標識によっては“通ってはいけない場所”があるのです。

今回は、そんな「自転車が走ってはいけない場所」をわかりやすく整理し、なぜそこが禁止されているのか、どう判断すればよいのかを解説します。親子で確認できる“自転車ルール再点検”としてもおすすめです。

1.そもそも自転車は“車道が原則”

まず覚えておきたいのが、自転車は道路交通法で「軽車両」として扱われているということ。

つまり、基本的には 車道の左側を通行するのが原則 です。歩道はあくまで歩行者のためのスペース。自転車は例外的にしか走ることができません。

歩道を通っていいのは“例外”だけ

次のような場合のみ、歩道を走ることが認められています。

  1. 「普通自転車歩道通行可」の標識があるとき
  2. 13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体が不自由な方
  3. 車道を通るのが危険だと警察が認めた場所

このように、歩道走行は“特例”であり、それ以外の場面では車道通行が基本ルールです。

そして、歩道を通るときであっても、「歩行者優先」「徐行(すぐ止まれる速度で走る)」が義務づけられています。歩道でスピードを出したり、ベルを鳴らして歩行者を避けさせる行為は違反です。

「車道」といっても走れない道がある

一方、「車道だから走っていい」と思いがちですが、中には自転車が通行禁止となっている車道もあります。

代表的なのが、

  • 高速道路・自動車専用道路
  • 高架道路(多くが自転車通行禁止)
  • トンネル・立体交差部など構造上危険な場所

これらは“車の速度や構造”を前提に設計されており、自転車が走ると非常に危険。標識にはっきりと「自転車通行止め」と書かれていることが多いので、見落とさないよう注意が必要です。

自転車は、便利で手軽な乗り物だからこそ、「どこでも行ける」と思ってしまいがちです。しかし、法律上はあくまで“制限のある車両”。走れる場所と走ってはいけない場所を区別することが、安全の第一歩です。

2.自転車が通ってはいけない/避けるべき場所

自転車は車両の仲間ですが、車とまったく同じ道を走れるわけではありません。法律上、通行が禁止されている場所や、安全上、避けたほうがいい場所があるのです。

ここでは、日常で見かける代表的なケースを例に見ていきましょう。

① 歩道(原則として通行禁止)

まず一番多い勘違いが、「歩道を自転車で走ってもいい」というもの。実はこれは原則NGです。

歩道は歩行者のためのスペースであり、自転車は本来、車道の左端を走る決まりです。ただし、次のような「例外」が認められています。

  • 「普通自転車歩道通行可」と書かれた標識があるとき
  • 13歳未満、70歳以上、または身体の不自由な方
  • 車道を走るのが危険な場所(交通量が多いなど)

この場合でも、歩行者が最優先。自転車は“すぐに止まれる速さ”で走ることが求められます。歩道は「走れる場所」ではなく、「歩行者にお邪魔している場所」。その意識を持つだけで、事故のリスクはぐっと減ります。

② 路側帯(とくに歩行者用の路側帯)

歩道がない道路では、白線で区切られた“路側帯(ろそくたい)”があります。一見すると「ここなら自転車でも大丈夫そう」と思いがちですが、歩行者専用の路側帯は通行禁止です。

区別のポイントは白線の数。

  • 白線が1本 → 自転車も通行OK
  • 白線が2本 → 歩行者専用で自転車は通行禁止

意外と知られていませんが、この区別を誤ると交通違反になります。また、狭い路側帯ではドアの開閉や歩行者との接触の危険もあるため、無理に走行しないことが安全です。

③ 高架道路・自動車専用道路

次に注意したいのが、高架道路やバイパスなどの自動車専用道路です。こうした道路は、自動車が時速60〜80kmで走行する設計になっており、自転車の通行は法律で禁止されています。

入口付近には必ず、「自転車通行止め」や「軽車両通行止め」と書かれた標識が設置されています。もし誤って入ると、非常に危険です。車にとっても、自転車は突然現れる“想定外の存在”になります。

また、高架道路でなくても、「○○バイパス」や「○○インター」などの名前がつく道路は、自動車専用の可能性が高いので注意が必要です。

③ 車道の中央寄り・右側通行

自転車は車道の「左側」を走るのが原則。反対車線(右側通行)を走るのは逆走行為で、法律違反になります。

とくに、信号待ちの車の間をすり抜ける、右折レーンに入って車と並ぶといった行動は非常に危険です。

「2段階右折」などの正しいルールを守り、車の流れに逆らわない走行を心がけましょう。

④ 自転車道・自転車専用通行帯がある場合の車道

もし道路に「自転車専用レーン」や「自転車通行帯」が設けられている場合、自転車は車道ではなくそのレーンを走る義務があります。

「車道のほうがスムーズだから」と言って車線に出るのは違反です。自転車レーンは安全確保のための設備。きちんと使うことで、自転車も車も安心して共存できます。

⑤ トンネル・狭路・急カーブ

最後に、明確に禁止されていなくても避けたほうがよい場所があります。

  • 照明が少なく暗いトンネル
  • 車の速度が高い狭い車道
  • カーブが多く見通しの悪い道路

こうした場所では、車からの視認性が低く、事故のリスクが高まります。遠回りでも、歩道付きの安全なルートを選ぶのが賢明です。

「通れそう」と思ったときこそ注意が必要です。自転車は軽くて静かだからこそ、「つい走ってしまう」道がたくさんあります。しかし、標識ひとつで“通行禁止”になっていることもあります。

見慣れない道に入る前に、標識をチェックする習慣をつけましょう。

3.なぜ通れないのか? その理由を知ろう

「自転車は車両だから車道を走る」「車道が危ないなら歩道でもいいのでは?」と考える方も少なくありません。

でも、道路によって「自転車が通ってはいけない」理由には、きちんとした安全上の根拠があります。ここでは、その“なぜ”をわかりやすく整理してみましょう。

理由①車との速度差が危険だから

自転車が車道を走るとき、もっとも大きなリスクとなるのが速度差です。

車は時速40〜60km、自転車は15〜20kmほど。高架道路やバイパスのようにスピードが出やすい道では、この差が命取りになります。

ドライバーから見ると、自転車は非常に小さく、発見が遅れがち。特に夜間やトンネル内では、ライトが弱いと“見えない存在”になってしまいます。

だからこそ、こうした道路では法律で自転車通行を禁止しているのです。

理由②歩行者との接触リスクを防ぐため

一方、歩道では「歩行者を守る」ことが最優先です。

自転車は軽く見えても、時速20km以上で走ると衝撃はかなり大きく、高齢者や小さな子どもにとっては命に関わる事故になることも。

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そのため、基本的に歩道は歩行者専用空間。自転車が通るときは、あくまで“特例”として慎重に走る必要があります。

歩道での「ベル鳴らし」や「スピード走行」は、歩行者にとって“突然背後から迫る恐怖”です。思いやりの走行が、もっとも確実な安全策です。

理由③道路構造が自転車向きではない

高架道路やトンネルの多くは、そもそも自転車が走ることを想定していない設計になっています。

路肩が狭かったり、側溝や金属の排水板が多かったりして、タイヤが滑りやすい構造になっているのです。

また、風の強い高架橋では、横風でふらつく危険もあります。「通れるかどうか」ではなく、「安全に走れるかどうか」を基準にすることが大切です。

理由④ルールが守られないと“加害者”になることも

もし、自転車が禁止エリアに入り事故を起こした場合、自転車側に過失が大きく認められるケースがあります。

たとえば、「自転車通行止め」の標識を無視して高架道路に進入したり、歩道でスピードを出しすぎて歩行者に衝突した
場合、たとえ相手が軽いケガでも、損害賠償を求められる可能性があります。

「知らなかった」では済まされないのが交通ルール。標識を確認する習慣は、自分を守る行為でもあるのです。

理由⑤「通行禁止」は“制限”ではなく“安全の仕組み”

一見、「走れない場所が多くて不便」と感じるかもしれません。でも、通行禁止のルールは“制限”ではなく、みんなを守るための安全の仕組みなのです。

  • 歩行者を守る
  • ドライバーに分かりやすい交通環境をつくる
  • 自転車利用者が安心して走れる道を確保する

この3つがそろって、はじめて“共存できる道路”になります。安全な道を選ぶことは、遠回りではなく“命を守る最短ルート”です。

4.通行可能か迷うときのチェックポイント

新しい道や見慣れない道路を走るとき、「この道、自転車で通ってもいいのかな?」と迷った経験はありませんか?

実は、自転車が通行できるかどうかは、
3つの確認ステップで簡単に判断できます。
これを覚えておけば、どんな場面でも安心して走ることができます。

① 標識をチェックする

まず一番大切なのは、標識(道路標示)を見ることです。自転車に関する代表的な標識を覚えておくと便利です。

標識意味見かける場所
自転車通行止め🚳自転車の通行禁止高架道路・トンネル入口など
自転車及び歩行者専用🚴‍♀️自転車と歩行者だけが通行できる公園周辺・生活道路
歩行者専用🚷自転車通行不可駅前・商店街など人通りが多い場所
自転車専用通行帯🚲自転車用レーンがある都市部の車道左側など

標識は、“その先の安全を知らせるサイン”です。「このマークはどういう意味?」と親子で話しながら覚えるのもおすすめです。

② 道の構造を見る

標識がなくても、道のつくりを見ればヒントがたくさんあります。たとえば

  • 歩道が狭く、人通りが多い
  • 高架やトンネルで車のスピードが速い
  • 白線が二重になっていて「歩行者専用路側帯」になっている

そんな道は、自転車にとって危険または通行禁止の可能性が高いです。

逆に、青いライン(自転車通行帯)や車道の左端に「自転車マーク」がある場所は、自転車が安心して走れるよう整備されています。

“どこを走るか”よりも、“安全に走れるか”を基準に判断しましょう。

③ 時間帯・天候・交通量を考慮する

たとえ通行可能な場所でも、状況によっては通らないほうが安全な場合があります。

  • 夜間で照明が少ない
  • 雨で路面が滑りやすい
  • 車や歩行者が多く、すり抜けが危険

そんなときは、遠回りでも明るく広い道を選びましょう。「この道なら安全に帰れる」と感じられるルートを見つけておくと安心です。

迷ったら「自転車ナビ」アプリも活用

最近では、地図アプリに「自転車ルート」機能があるものも増えています。Googleマップや自治体アプリなどでは、自転車通行可の道や坂道を避けるルートを選んでくれる機能も。

ただし、アプリの指示よりも現地の標識が優先されます。「アプリが言ったから通っていい」と思わず、現場で“自分の目”で確認することが大切です。

まとめ「どこを走るか」で、安全は大きく変わる

自転車は、気軽に乗れて、地球にもやさしい便利な乗り物です。けれども、その“気軽さ”の裏には、車両としての責任があります。

法律上、自転車は「軽車両」。原則は車道を左側通行ですが、歩道や高架道路、トンネルなど、通ってはいけない場所があることを知っておくことがとても大切です。

自転車の通行ルールは、ただの「きまり」ではなく、命を守るための約束です。

  • 歩道では歩行者を最優先に
  • 高架道路やバイパスは避ける
  • 標識を見て、安全なルートを選ぶ

こうした小さな意識の積み重ねが、あなた自身も、周りの人も守ります。

自転車が“自由な乗り物”であり続けるためには、「自由」と「ルール」をセットで考えることが大切です。走れる場所を知ることは、安全に走る力を身につけることでもあります。

この記事を書いた人 Wrote this article

ますい かな

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