「自転車は車ほど厳しく取り締まられない」そう思っている方は、まだ少なくありません。
しかし近年、自転車による事故や危険運転が社会問題となり、自転車の交通違反に対する取り締まりは確実に厳しくなっています。特に注目されているのが、いわゆる「青切符(反則金)」制度です。
信号無視やスマートフォンを見ながらの運転、逆走など、これまで「注意で済むことが多かった行為」でも、反則金の対象になる可能性があります。
1.自転車にも「反則金」が科される時代に
自転車は身近で便利な乗り物ですが、法律上は明確に「車両」として扱われます。そのため、一定の違反行為については、反則金や罰則の対象になります。
1-1.自転車は「軽車両」、違反は処罰対象
道路交通法では、自転車は軽車両に分類されています。これは、自動車やバイクと同じく、交通ルールを守る義務があるという意味です。
たとえば、信号を守る・一時停止をする・進行方向を守る、といった基本的なルールは、自転車でも当然に適用されます。
「歩行者感覚」で走ってしまうと、知らないうちに違反行為となり、反則金や指導の対象になるおそれがあります。
-2|なぜ今、反則金制度が注目されているのか
自転車の反則金制度が注目されている背景には、自転車事故の増加と事故内容の深刻化があります。
特に、スマートフォンを操作しながらの運転・信号無視や逆走による重大事故・歩行者との接触事故といったケースが問題視されています。
そのため、「危険な行為をした場合は、明確に責任を問う」という流れが強まり、自転車でも反則金が科される時代になりつつあるのです。
2-2.【一覧表】反則金が発生する自転車の違反行為
自転車の違反は種類が多く、「どれが反則金の対象なのか分かりにくい」と感じる方も多いと思います。まずは、主な違反行為と反則金の目安を一覧で確認してみましょう。
※なお、制度運用上の判断や状況により多少の差異が生じる可能性がある点はご了承ください。
自転車の主な違反行為と反則金の額一覧(2026年4月〜)
| 違反行為 | 具体的な内容 | 反則金(16歳以上) |
|---|---|---|
| 信号無視 | 赤信号で交差点に進入 | 6,000円 |
| 一時不停止 | 停止線前で止まらない | 5,000円 |
| 通行区分違反 | 車道・指定車線を無視 | 6,000円 |
| スマホ操作(ながら運転) | 走行中のスマホ使用・通話 | 12,000円 |
| 傘さし運転 | 傘を持って走行 | 5,000円 |
| イヤホン等装着(聴覚妨害) | 音楽等で周囲音が聞こえない状態 | 5,000円 |
| 夜間無灯火 | ライトを点灯せず夜間走行 | 3,000円 |
| ブレーキ整備不良 | 制動装置に問題のある状態で走行 | 6,000円 |
| 踏切一時侵入 | 遮断機が下りた踏切に進入 | 7,000円 |
| 並走・二人乗り等 | 複数人で横並び走行等 | 3,000円 |
出典:2026年4月導入予定の自転車反則金制度による一覧(警察・交通安全関連情報より)
Check!表を見るときの注意点
この表で特に注意したいのは、「悪質でなくても違反になる行為が多い」という点です。
たとえば、
- 歩行者信号を見て進んでしまう
- 少しの距離だからと逆走する
- 雨の日に傘を持ったまま走る
こうした行為は、多くの人が無意識にやってしまいがちですが、反則金の対象になる可能性があります。
3.特に多い違反行為を詳しく解説
反則金の対象となる違反行為の中でも、「知らずにやってしまいがち」「歩行者感覚が抜けない」行為は特に多く見られます。ここでは、件数が多く注意が必要な違反を中心に解説します。
3-1.信号無視は「歩行者感覚」が一番危険
自転車の信号無視で多いのが、「歩行者用信号を見て進んでしまう」ケースです。自転車は軽車両のため、
- 原則として 車両用信号 に従う
- 歩行者用信号は、自転車には適用されない というルールになっています。
たとえば、車両用信号が赤、歩行者用信号が青のときに自転車で進むと、信号無視となり反則金(6,000円)の対象になります。「横断歩道だから大丈夫」「みんな渡っているから」という感覚は、非常に危険です。
3-2.スマホ操作は「一瞬でも」反則金対象
スマートフォンの操作、いわゆる「ながら運転」は、自転車の違反の中でも特に重く扱われています。走行中に画面を見る・通話をする・地図アプリを操作する、これらはいずれも違反となり、反則金は12,000円と高額です。
「少し見るだけ」「片手で持つだけ」といった言い訳は通用せず、走行中であればアウトと考えておく必要があります。
なお、完全に停止している状態であれば違反にならないとされていますが、停止と走行の判断は現場で行われるため、誤解を招きやすい行為でもあります。
3-3.逆走は自覚がない人が多い違反
逆走(車道の右側通行)は、非常に多い違反のひとつです。
自転車は原則として、車道の左側を通行・右側通行は明確な通行区分違反となり、反則金は6,000円です。
特に、車が多くて怖いから・目的地が右側にあるから・短い距離だからといった理由で、無意識に逆走してしまうケースが目立ちます。しかし、逆走は正面衝突のリスクが高く、重大事故につながりやすい危険な行為です。
3-4.夜間無灯火は「うっかり」でも違反
夜間のライト点灯は「マナー」ではなく、法律上の義務です。
ライトを点けないまま走行すると、夜間無灯火として反則金3,000円の対象になります。
ライトは自分が周囲を見るためだけでなく、周囲から自分の存在を認識してもらうための重要な安全装備です。
4「知らなかった」は通用する?
自転車の違反についてよく聞かれるのが、「知らなかった」「そんなつもりはなかった」という声です。しかし、反則金制度においては、この考え方は通用しません。
4-1.違反の多くは「日常の勘違い」から起きている
これまで見てきた違反行為の多くは、悪意があって行われているものではありません。
- 歩行者と同じ感覚で信号を見ていた
- みんなやっているから大丈夫だと思った
- ルールが変わったことを知らなかった
こうした日常的な勘違いが、そのまま違反につながっているケースがほとんどです。
しかし、道路交通法では「知らなかった」ことは違反の免責理由にはなりません。自転車も車両である以上、最低限のルールを知っておく責任は、利用者自身にあります。
4-2.警告で済む場合と反則金になる場合の違い
「必ず反則金を取られるのか」という点も、気になるところだと思います。
実際の取り締まりでは、危険性の高い行為かどうか、悪質性・継続性があるか、周囲への影響が大きいかといった点を踏まえて、対応が判断されます。
ただし、スマホ操作・信号無視・逆走などの通行区分違反といった重大事故につながりやすい行為については、警告ではなく、反則金の対象となる可能性が高いと考えておくべきです。
「今回は注意だけで済んだ」という経験があっても、次も同じとは限らない点には注意が必要です。
5.反則金だけでは済まないリスク
自転車の違反というと、「反則金を払えば終わり」と考えてしまいがちです。しかし実際には、反則金よりも重いリスクが潜んでいます。
5-1.事故を起こせば「賠償責任」が発生する
違反行為が原因で事故を起こしてしまった場合、反則金とは別に、民事上の損害賠償責任が発生します。特に、
- 歩行者との接触事故
- 高齢者や子どもにけがをさせた場合
- 後遺障害が残ったケース
では、治療費や慰謝料、休業損害などを含め、数百万円から数千万円規模の賠償になることもあります。
反則金はあくまで「行政上のペナルティ」であり、被害者への補償とはまったく別である点に注意が必要です。
5-2.自転車保険未加入のリスク
自転車事故の賠償問題で大きな差が出るのが、自転車保険に加入しているかどうかです。
保険に入っていない場合、
- 賠償金を自己負担することになる
- 示談交渉を自分で行う必要がある
- 精神的・時間的な負担が大きい といった問題が一気にのしかかります。
現在は、多くの自治体で自転車保険の加入が義務化されており、未加入のまま事故を起こすと、立場が不利になる可能性もあります。
反則金を払うかどうか以前に、事故そのものを起こさないこと、万が一に備えることが重要です。

まとめ
自転車は身近な乗り物ですが、法律上は「軽車両」として扱われ、明確な交通ルールと反則金制度が定められています。
この記事で見てきたように、
- 信号無視やスマホ操作、逆走などは反則金の対象
- 「知らなかった」「少しだけ」は通用しない
- 反則金だけでなく、事故時には賠償責任も発生する
という点は、すべての自転車利用者が知っておくべき内容です。
日常的に自転車を使っているからこそ、一度立ち止まって、自分の運転やルールの理解を見直してみましょう。
自転車の交通違反や事故は、
「これって違反になるの?」「この場合どう対応すればいい?」と、
判断に迷う場面が少なくありません。
当社では、自転車の違反や事故、保険に関するご相談をいつでも受け付けています。
小さな疑問や不安でも構いませんので、気になることがあればお気軽にご相談ください。